ブルーモスク遠景
ブルーモスク遠景

 

 

天井
天井

 

 

競馬場跡のオベリスク
競馬場跡のオベリスク

 

 

◎ブルーモスク〜グランバザール

 地下宮殿を出たら、次はブルーモスクに行く。この辺りはアヤ・ソフィア、ブルーモスクを挟んで、スルタンアフメット公園があり、写真を撮るには実にいいところだ。水売りの格好をしたおじさんが、ジュースを売り歩いているのも、いい風情だ。相変わらず子供が絵葉書や、「靴磨かせれ〜」 とつきまとってくるのには辟易するが。

 ブルーモスク。正式には「スルタンアフメット一世のモスク」 と言う。1617年に完成した。ミナレットが六本なのが特徴だ。これはメッカのモスク(八本)に次ぐ数である。建築としては、スレイマン一世の時代に建てられた、スレイマニエ・モスクの方が優れているらしいが、ここは内部にふんだんに使われたイズニックタイルの華麗なる装飾で、イスタンブール観光の定番スポットとなっている。

 モスクに入るのは生まれて初めてなので、予めオルハンから服装など注意を受ける。基本的に素肌の露出は忌避されるのだそうな。ただ、半ズボンで来ても一応スカーフなどが備え付けられているため、そう問題ではない。まあ、これは普通のモスクだとこうはいかないだろう。やはりモスクに行く際は、せめて長ズボンを履いておくことだ。

 中に入る。「もっと青々しているのかな?」 と思ったが、そうでもない。寧ろ文様にちりばめられた、赤や緑の色の方が印象に残ったくらいだ。青の中に赤や緑があしらわれていると、それが目立つためだろう。確かに青はタイルの基調色として、ふんだんに使われている。天井はアヤ・ソフィアに影響を受けて、オスマン朝期に流行ったドーム建築である。大ドームの直径は、アヤ・ソフィアよりも稍小さいが、それでも20数メートルはある。天井は装飾でいっぱいだ。内部の空間も、光を上手に取り入れており、アヤ・ソフィアよりはずっと明るい(イメージの産物かもしれないが、アヤソフィアの一階はなんとなく暗かった。二階はそうでもない。)

 ここは現役のモスクなので、お祈りの人も当然やってくる。その中に我々のような観光客も混じっているのだが、中心部はしっかりと祈りの場所に確保されており、観光用のスペースは寧ろ隅っこである。イスラムの祈りは初めて目の当たりにするが、皆熱心だ。それを後ろから観光客がじろじろ見るような格好になるので、余り気分が良くないのかもしれない。これでは異教徒の印象が悪くなるわけだよな。

 ブルーモスクを出る。目の前は、東ローマ〜ビザンティン時代の、競馬(勿論戦車)場の跡地だ。かってのコンスタンティノープルの中心地と言っていい場所である。往事は、ここに大規模なスタジアムがあったのだが、今面影を見せるのは、当時からある三本の塔である。写真に挙げたオベリスクはその一つで、エジプト新王朝のファラオたるトトメス三世が建てたものを、ローマ皇帝テオドシウスがエジプトから持ってきたものだ。当然写真を撮る。今度は屋外なので上手く撮れた。(笑)

 さてそこから車に乗せられ、グランバザールに連れていかれる。ホテルのある新市街と比べて、ずいぶんごちゃごちゃとしている。中に入る前にオルハンが注意をする。曰く「出されたお茶などは飲んじゃだめよ。睡眠薬入っているかもしれないから。」 「裏道に行かない方がいいよ。最近治安悪いから」 「偽物も多いから気を付けようね」 だ。実際に、睡眠薬を飲ませて金品やパスポートを巻き上げたりする事件が多いらしい。またトルコリラの額面をクレジットで払うときに、勝手に末尾を米ドルに書き換えたりする悪徳ショップも、グランバザールに限らず、イスタンブールには幾つかあるようだ。これがまた日本人が絡んでいるらしいので、もう一つ厄介である。まあ、絨毯屋が絡んできたら、「もう買っちゃったよ〜ん」 と言えばすむのだが(すまないかも)

 中に入る。日本の商店街よりよほど雑然としている。ここは値段も観光客向けに高いようなので、地元の人も余り行かないらしい。しかも例の治安の件。昔は日本人団体さんもいたのかもしれないが、結局少人数のグループと、一回すれ違っただけだった。

 元々買う気がなかったのと、オルハンの脅し? が効いていたので、リュックを抱えて、歩き回るだけ。「日本人! 絨毯?」 と呼び込み。「間に合っているよ!」 とこちら。歩き回るだけでは暇になる。しかも、こんな所で一時間も過ごせと言うのだから、やってられない。そんでもってオルハンの言うことには「この入り口に、私が若い頃バイトしてたトルコ石屋があります。そこにいるので勝手にやってね。」 ときたもんだ。結構むかつく。飽きる。こんなことなら、他の博物館連れて行け!

 暇になったので、結局みんなでオルハンの所に行く。気が付くとトルコ石のブレスレットが手元に。こうやってバイト先と結託しているんだろう。オルハン。マージンはいったいいくらだ? すごく腹が立ったぞ。しかも自分で「お茶飲むな」 といいながら、しっかり出してくるし。こちらも心の余裕がないのかも知れないが、グランバザールってこんなもんなんだろうね。だから観光客が遠のくのもしょうがないか。

 なんだかんだあって、車に乗ってホテルに帰る。途中本屋を車窓から見るが、C++やらDelphiやらの解説書が並んでいるのが見える。そういやあ、飛行機の機中宣伝紙にも、NC4.0のトルコ語版写真があったなあ。結構コンピュータも盛んな国なんだろう。Niftyなんか見ていると、トルコからアクセスしている人もいるようだし。今度来たときには、素材集なんかを探すのも一興かもしれない。


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