すーっと前に借りてきて読んだ本です。
この本は、シリーズ「京大人文研漢籍セミナー」の第一冊目になります。
元々、このシリーズを始めるきっかけとなったのが「TOKYO漢籍セミナー」なるイベントでした。京都の大学の研究所が、「わざわざ」東京でセミナーを開く、独法化&金にならないという周囲のプレッシャーの中、人文系研究所の生き残り策を垣間見る様だ…とはうがちすぎでしょうが、イベント自体は中々に好評で、現在までも続いているそうです。
京都でもやってくれるとうれしいんですけどねえ。
昔、この研究所にはお世話になった経験があります。そのため、この巻の講師の先生方も、顔をご存じの方もいらっしゃいますので、読みながら謦咳が耳に聞こえるようでした。
その中の冨谷先生の「錯誤と漢籍」ついては、納得できるところ(邪馬臺國)とそうでないところ(論語の錯簡)がありますので、別途論じることにします。
個人的には、船山先生の大正蔵のテキストについての話と井波先生の避諱字の話は、ちょうど、その辺りの所を他の本で読んでいた&別途調査中という事もあって、楽しく読ませていただきました。
特にうけた(失礼ながらこういう表現が一番ぴったりくるので)のは、井波先生の書かれた所の171ページ。
ある老大家(後で出てきますが、島田虔次先生です)が「不敢…(あえて…せず)」を「よう…せん」と解釈するくだりです。で、「不敢説」は「よういわん」となるそうですが。
島田先生は、ちらっと拝見したのが一度だけという、殆ど邂逅の類でしか接点がありませんでしたが、岩波新書『朱子学と陽明学』とか『中国の伝統思想』思想史関連書、或いは『梁啓超年譜長編』シリーズなどの訳注でもよく知られた研究者です。
昔お世話になった先生方の何人かが、島田先生のお弟子さん筋関係であったので、色々と話を伺ったり、上記の本に収める論文のコピーを取らされたりなど、思わぬところで接点っぽいのがあったんだなあ~と今にして思い知らされます。
漢籍はおもしろい (京大人文研漢籍セミナー)
発売:研文出版 2008-06
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朱子学と陽明学 (岩波新書 青版 C-28)
発売:岩波書店 1967-05-20
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中国の伝統思想
発売:みすず書房 2001-05
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梁啓超年譜長編〈第1巻〉1873‐1899
発売:岩波書店 2004-01-23
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