『史林』第93巻第3号の新刊紹介で興味を持ったので読んでみました。
著者の庄子大亮氏は、古代ギリシア史が専門の研究者ですが、氏がアトランティス伝説ってそもそも何? というテーマで、書き下ろされた本になります。
ボリュームの割には、サクサク&読み応えがあっておもしろかったです。
内容は、おおざっぱに、以下の四つに分かれています。
- プラトンの対話篇に見られるアトランティス話の概要
- これまでのアトランティスに関する言説の紹介
- アトランティスがなぜ語られたのか?
- 伝説と真実
文書の分量から言うと、前二つが三分の二くらいなので、あまりバランスはよいとは言えませんが、これまでアトランティスがどう語られてきた、というのは、アトランティス関連書籍ではどうしても触れざるを得ない部分なので、しょうがないといえばしょうがない部分です。
で、その後に、
プラトンが言いたかったのは、アトランティスは駄目な国家! 同時代に存在した(とプラトンが設定した)古アテナイが主役の話!
という重要なポイントを指摘します。
まあ、アトランティスって、結局悪役として用意されたキャラクターなのね、という事ですね。
ということは、(それがどこに存在したかは別にして)アトランティスの実在を証明するには、古アテナイの実在を証明すればいいことになるのかな。
アテナイは場所はわかっているし、後は掘るだけですね。洪水で流された!のなら、洪水の痕跡を見つければいいし、海底を探すのもありでしょう。アトランティスに関心のある皆さん、やってみてはいかがでしょうか。責任は取りませんけど。
個人的には、アトランティスを大西洋に設定したのは、東には当時の人がそれなりにリアリティをもってしまう国家群がある(ペルシア等)ので、設定しづらかったんじゃないかな~と、読みながら思いました。
アトランティス・ミステリー (PHP新書)
発売:PHP研究所 2009-11-17
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